こんな時に役立つレファレンスツール

 

図書館のメインの仕事とも言えるレファレンス。今回は、所蔵資料の中から、そのために役立つツールを、分野ごとに紹介します。

 

人文科学コーナー

参考資料といえばまず百科事典。図書館の資料もアナログだけではありません。

『世界大百科事典』第2版(CD-ROM版) 日立デジタル平凡社 1998・10

総項目数8万3千項目、図版約1万点。この他1985から1997の百科年鑑、現代人名録、新語、流行語、統計データ、世界地図や日本地図等を収録。本文からクリックするだけで関連する便覧、図版、地図などを呼び出せます。

その他にも、人文科学には芸術・文学などいろいろな分野の資料があります。

『映画大全集』メタモル出版 1998・11

戦後公開の全作品を含む1998年秋までの洋画、邦画あわせて全2万2千タイトル収録。ビデオ、LD、DVDの発売、廃盤情報も掲載。昔劇場で見た映画をもう一度見たい、という時に、ビデオ化されているか、されていれば発売元はどこで、現在も入手可能かどうかがわかります。

『西洋絵画作品名辞典』三省堂 1994・5

13三世紀から20世紀までの作家630名の作品を収録。各作品の情報が調べられます。画家名のほか、作品の主題(モチーフ、固有名詞など)でも探せ、現在所蔵している美術館も掲載。たとえば、有名なゴッホの「ひまわり」について調べてみると、年代、大きさ等のほか、3本、5本、12本、14本の作品があり、その中の14本のものが日本の安田火災東郷青児美術館所蔵。14本の作品とされていますが、同美術館ではひまわりの数を15本としていることがわかります。

『ペンネームの由来事典』紀田順一郎著 東京堂出版 2001・9

日本の近代文学作家(おもに明治の文学者)の雅号、筆名の由来をまとめたもの。二葉亭四迷の号が父親から「くたばってしまえ」と言われたことでできた話は有名ですが、当時の号名は現代あるインターネット上のハンドルネームとは一線を画し、自分の理想をあらわしたものなど、作家の人格的表現としてつけられており、読み物としても面白い事典です。

『作家の臨終・墓碑事典』 東京堂出版 1997・6

文学者の死因、最期のことば、近親者の回想、墓碑をまとめたもの。

『歴史・時代小説登場人物索引』DBジャパン2001・4

1990から1999年に国内で出版された歴史・時代小説の単行本に登場する人物名を収録。

また、小説の中に登場する主要とおもわれる、犬、猫、猿などの名前も収録。

『新・宮沢賢治語彙事典』東京書籍 1999・7

宮沢賢治作品で使われてる難読語や造語など五千項目を収録。五十音順。

など、独自の分野に関するいろいろな資料がそろっています。

 

社会科学コーナー

各分野のレファレンスで必要とされる資料はいろいろありますが、まずは基本的なところから紹介しましょう。

『統計情報インデックス 2001』総務省統計局編/発行 2001・4

各種の統計に関する主要な刊行物を収録。必要なデータがどの統計に収録されているか、作成機関はどこか、統計表の内容、などを調べることができ、「亜鉛」、「健康」等のキーワードから、必要とする統計を探せる「キーワード索引」は、数多くの統計の中から、必要な統計を探すために有効。統計に関して困ったときの一冊です。

そのほか、各分野に関するユニークな参考資料も数多くあります。

『女性たちの366日話題事典』 加藤迪男編 東京堂出版 2000・12

1月5日少女フレンド創刊、6月18日ひめゆり部隊自決、6月9日雅子様御成婚、11月15日緑のおばさん登場など、それぞれの日付に起こった出来事を通し、紫式部から宇多田ヒカルまでの、女性に関する歴史を綴ります。各日付ごとに主要な出来事、生没者を記載、2千名以上の女性人名索引を収録した50音順索引付き。

『全国温泉大事典』 野口冬人著 旅行読売出版社 1997・12

第1部、全国温泉案内は、北海道から沖縄まで2千3百ヶ所の温泉の、特色・泉質・アクセスなど詳細情報を収録。他、温泉学入門、温泉雑学百科に、効能別温泉紹介など、温泉に関する各種情報を掲載しています。

『子育て・教育・子どもの暮らしのデータ集 2001年版』 食品流通情報センター編/発行 2001・6

育児・教育費・生活意識・健康・食生活・遊びなどに関するアンケート調査、統計資料など、子ども関連データを多種収録しました。

 

自然科学コーナー

『理科年表』 文部科学省・国立天文台編 丸善 2001・11

自然科学の基本となる資料といえばまずこれ。大正15年に創刊され、今年で75冊を数えています。

「暦部」「天文部」「気象部」「物理/化学部」「地学部」「生物部」、ノーベル賞や各種数学公式などを収録した「附録」より構成され、同分野を調べる上で、正に基本となるデータブックです。

『日本植物方言集成』 八坂書房編/刊 2001・2

自然科学では、植物に関する問い合わせも多くあります。しかし、これらには、地方独特の呼び名も存在していることから、単純に「植物図鑑で…。」というわけには行かない場合があります。こんなとき役立つのがこの資料です。標準和名ごとにそれらの方言名をまとめ、50音順に収録、それぞれの使用地域名を付しています。また、方言名から標準和名が検索できる、逆引き索引付き。収録植物は2千種あまり、収採方言は4万語におよびます。同様に、貝類についてまとめたものとして、『日本貝類方言集』
川名興著 未來社 1988・3があります。

続いて、わが県は福島第一・第二の原子力発電所を有することから、県民意識も高いものがあります。そこで、原子力関係の参考図書をご紹介したいと思います。

『原子力問題図書・雑誌記事全情報 1985―1999』 日外アソシエーツ編/発行 2000・4

1985年から1999年の間に、日本国内で発行された、原子力問題に関する書3,879点と、雑誌掲載記事4,980点を、6つの主題に分け収録しました。事項及び著者名索引があります。

『原子力市民年鑑 2001』 原子力資料情報室編 七つ森書館 2000・6

第1部は、国内の原子力発電所一覧や住民投票条例一覧を掲載、各施設の1999年度の運転実績や過去の事故一覧などを紹介しています。第2部では、国内外の原子力発電所をとりまく状況を、15の主題により、データを用いて掲載しています。

以上、参考資料の棚に置いてありますので、どうぞご利用ください。

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